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トラックの「中継輸送」を後押しする改正物流効率化法、11月1日施行へ 荷主にも協力の努力義務

政府は10月16日、トラックの長距離輸送を複数のドライバーで分担する「中継輸送」を推進する改正物流効率化法を、11月1日に施行する政令を閣議決定しました。中継拠点の計画を国が認定し、関連する許可を受けたものとみなす特例などが設けられ、荷主と倉庫業者にも協力の努力義務が課されます。国交省は10〜11月を荷主への集中監視月間としています。

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BSAC5編集部
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まず、これだけ押さえたい

  • 政府は10月16日、中継輸送を推進する改正物流効率化法の施行日を11月1日とする政令を閣議決定しました。
  • 中継拠点を使う事業計画を国が認定し、運送事業法・自動車ターミナル法・倉庫業法の許可等を受けたものとみなす特例が設けられます。
  • 荷主と倉庫業者等にも、業務に支障のない範囲で中継輸送に協力する努力義務が課されます。
  • 国交省は10〜11月を荷主・元請への集中監視月間とし、トラック・物流Gメンが荷待ちや買いたたきなどを重点的に監視しています。
この記事の目次
夜明けの高速道路沿いの物流拠点で、2台の大型トラックが並んで停まり荷物を受け渡しているイメージ写真

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません

何が決まったか

政府は2026年10月16日、改正物資の流通の効率化に関する法律(改正物流効率化法、令和8年法律第21号)の施行日を11月1日とする政令を閣議決定しました。政令は10月21日に公布されます。改正法は5月13日に参議院本会議で可決・成立し、5月20日に公布されていました。

柱は中継輸送の推進です。中継輸送とは、一つの長距離輸送を複数のドライバーで分担し、途中の拠点で運転者が交代したり、荷物を別のトラックに受け渡したりする方式のことです。国土交通省は、トラックドライバーの負担を軽くしながら物流を維持することを目的に挙げています。

改正法の主な中身

国交省が公表した法律要綱によると、主な内容は次のとおりです。

  • 中継拠点の定義:高速道路など物流の結節点となる道路の近くにあり、入浴設備付きの待機所など運転者の疲労を回復する施設を併設し、荷役の出入り管理や仕分けのための情報システムなどを備えた施設を「特定貨物自動車中継輸送施設」と定めます。
  • 計画の認定:2社以上の運送事業者がこうした施設で運転者の交代や貨物の受け渡しを行う事業について、実施計画を国交大臣が認定する仕組みを設けます。同日に閣議決定された別の政令で、認定などの権限の一部は地方運輸局長に委ねられます。
  • 許可の特例など:認定を受けると、貨物自動車運送事業法、自動車ターミナル法、倉庫業法の許可等を受けたものとみなされます。鉄道建設・運輸施設整備支援機構による出資・貸付けや、都市計画法上の許可での配慮も定められました。
  • 関係者の責務:運送事業者には連携して中継輸送を行う努力義務が、荷主と倉庫業者等には、業務に支障のない範囲で中継輸送の円滑な実施に協力する努力義務が課されます。

荷主への監視も強化

国交省は9月28日、10月と11月を荷主・元請事業者に対する「集中監視月間」とし、「トラック・物流Gメン」による監視を強めると発表しました。長時間の荷待ち、契約にない附帯業務、運賃・料金の不当な据え置き、無理な運送依頼といったトラック法違反の疑いには働きかけ・要請・勧告を、取引適正化法が禁じる支払遅延や買いたたき、協議に応じない一方的な価格決定などの疑いには助言・指導を行うとしています。違法な白ナンバートラックへの委託を防ぐため、警察とも連携します。

経営にとっての意味

中継輸送が広がれば、ドライバーが日帰りで運行できる範囲で長距離輸送をつなげやすくなり、輸送力の維持につながります。一方で荷主側には、中継拠点での積み替えを前提にした出荷時刻や納品時間の見直しなど、運び方の変更への協力を求められる場面が増えると考えられます。

確認しておきたい点は三つです。

  1. 自社の長距離輸送ルートで、委託先の運送会社が中継輸送を検討・実施しているか。
  2. 中継を前提にしたリードタイムの延長や納品時間指定の緩和に応じられるか。
  3. 荷待ち時間や契約外の附帯作業の実態を把握し、監視の対象となる取引慣行が残っていないか。

用語の補足(12語)

中継輸送
一つの長距離輸送を複数のドライバーで分担し、途中の拠点で運転者の交代や荷物の積み替えを行う輸送方式。
政令
法律を実施するために内閣が定める命令。法律の施行日や、法律が委ねた細かな基準・手続きなどを定める。
閣議決定
首相とすべての閣僚が出席する閣議で、内閣としての意思を決めること。政令の制定などはこの手続きを経る。
努力義務
法律上「努めなければならない」と定められた義務。守らなくても直ちに罰則が科されるわけではない。
荷主
運送を依頼する側の企業や人。メーカーや卸・小売など、荷物を送り出したり受け取ったりする事業者を指す。
元請
荷主などから直接仕事を請け負う事業者。受けた仕事の一部を別の事業者に再委託することがある。
トラック・物流Gメン
国土交通省が設けた、荷主や元請事業者による不適切な取引慣行を調査・是正するための担当職員の体制。
荷待ち
トラックが荷物の積み込みや荷下ろしの順番を待つために、倉庫や工場などで待機すること。ドライバーの長時間労働の一因とされる。
附帯業務
運転以外にドライバーが担う、荷物の積み下ろし、仕分け、棚入れ、ラベル貼りなどの作業。契約にない作業の押し付けが問題とされる。
白ナンバー
自家用の自動車に付くナンバープレート。他人の荷物を有償で運ぶ営業には、事業用の緑ナンバーが必要とされる。
取引適正化法
下請法を改正・改称した法律の略称。発注する側による代金の支払遅延や買いたたき、協議に応じない一方的な価格決定などを禁じる。
リードタイム
発注や出荷の指示から、商品が届くまでにかかる時間。中継や積み替えが入ると長くなることがある。
  • トラックドライバー
  • トラック・物流Gメン
  • 中継輸送
  • 国土交通省
  • 物流
  • 物流効率化法
  • 荷主

根拠資料・出典

一次資料

二次報道・参考

訂正履歴

訂正はありません。最終更新: 2026年10月22日 20:00

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