ノキア、AI・クラウド向けの売上が2倍超に 7〜9月期はIPネットワーク43%増、データセンター間の通信需要が押し上げ
AI・クラウド顧客からの受注も118%増。2027年は光・IP事業で25〜30%成長を見込む
フィンランドの通信機器大手ノキアは2026年10月22日、7〜9月期の売上高が前年同期比10%増の51億5,400万ユーロだったと発表しました。AI・クラウド事業者向けの売上は6億3,100万ユーロで2倍超に増え、データセンターをつなぐルーターや光通信機器が伸びました。AIの投資がGPUだけでなく通信網にも広がっていることを示しています。
まず、これだけ押さえたい
- ノキアの7〜9月期は売上高が10%増の51億5,400万ユーロ、比較可能営業利益が35%増でした。
- AI・クラウド事業者向けの売上は6億3,100万ユーロと2倍超に増え、IPネットワークは43%、光ネットワークは18%伸びました。
- 通期の利益見通しは据え置く一方、フリーキャッシュフローはマイナスで、現金化の見通しを引き下げました。
押さえておきたい数字
AI・クラウド顧客向け売上高
6億3,100万ユーロ
前年同期比123%増(為替影響除く)
基準時点: 2026年7〜9月期
IPネットワークの売上高
8億3,900万ユーロ
前年同期比43%増(為替影響除く)
基準時点: 2026年7〜9月期
グループ売上高
51億5,400万ユーロ
前年同期比10%増
基準時点: 2026年7〜9月期
経営への示唆編集部の分析
AIの設備投資は、計算機や電力に加えて、データセンターを結ぶ通信網にも広がっています。ノキアのように通信機器メーカーの成長分野が通信会社からクラウド事業者へ移りつつあることは、光ファイバーや光部品、通信工事に関わる日本企業にとって商機になり得ます。一方、回線や通信機器を調達する企業にとっては、需要の集中による納期の長期化や価格上昇の可能性を意識しておく必要があります。拠点間の通信容量を増やす計画がある企業は、早めに通信事業者と調達の見通しを確認しておくことが現実的です。

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
フィンランドの通信機器大手ノキアは2026年10月22日、2026年7〜9月期の決算を発表しました。売上高は51億5,400万ユーロで前年同期から10%増え(為替などの影響を除くと9%増)、比較可能ベースの営業利益は6億500万ユーロで35%増えました(ノキア 決算発表(SEC提出資料)(外部サイトが新しいタブで開きます))。
何が伸びたのか
AIデータセンター向けの通信機器が成長をけん引しました。 AI・クラウド事業者向けの売上高は6億3,100万ユーロで、為替影響を除いて123%増えました。同顧客からの受注も118%増えています。部門別では、データセンター内外の通信を担うルーターなどのIPネットワークが43%増、拠点間を光ファイバーで結ぶ光ネットワークが18%増でした(いずれも為替影響を除く)(ノキア 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
| 事業(7〜9月期) | 売上高 | 伸び率(為替影響除く) |
|---|---|---|
| IPネットワーク | 8億3,900万ユーロ | 43%増 |
| 光ネットワーク | 9億3,300万ユーロ | 18%増 |
| 固定ネットワーク | 3億8,600万ユーロ | 22%減 |
| 無線ネットワーク | 19億5,800万ユーロ | 10%増 |
無線ネットワークは全地域で伸び、特に日本とインドを含むアジア太平洋が好調でした。ただし一部は10〜12月期の売上が前倒しになったものです(ノキア 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
見通しと課題
2026年通期の比較可能営業利益の見通し(21億〜26億ユーロ)は据え置きました。光とIPを合わせた事業は2027年に25〜30%成長すると見込んでいます。一方、運転資金への投資がかさみ、7〜9月期のフリーキャッシュフローは9,900万ユーロのマイナスで、現金化の比率の見通しを引き下げました。構造改革費用の見通しも11億ユーロに引き上げています(ノキア 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
ジャスティン・ホタードCEOは、T-モバイルやエヌビディアと開発したAI-RAN(携帯基地局でAIの計算も行う仕組み)が、商用網で最初の通話に成功したことも成果に挙げました。グーグルがフィンランドで計画する130億ユーロの投資を支える協業にも触れています(ノキア 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
企業にとっての意味
AI投資はGPUや電力だけでなく、データセンター同士をつなぐ通信網にも波及しています。光通信の部品や通信工事の需要が高まれば、企業の回線増強の費用や工期にも影響し得ます。
経営会議で確認したい3つのこと
- 当社のAI活用やクラウド移行で、拠点間・データセンター間の通信容量はいつまでにどれだけ必要になるか。
- 通信機器や回線の調達で、納期や価格の変化を通信事業者から聞き取れているか。
- 光通信や通信工事の需要拡大を、当社の事業機会として検討しているか。
用語の補足(4語)
- IPネットワーク
- インターネットと同じ仕組み(IP)でデータを送受信する通信網。ルーターやスイッチなどの機器で構成され、データセンター内外の通信を担う。
- 光ネットワーク
- 光ファイバーと光信号で大量のデータを長距離に送る通信網。データセンター同士や都市間をつなぐ基幹部分に使われる。
- AI-RAN
- 携帯電話の基地局(無線アクセス網、RAN)の設備でAIの計算も行えるようにする構想。通信処理とAIの処理を同じ基盤で動かす。
- 比較可能ベース
- 構造改革費用や買収に伴う費用など一時的な要因を除いて算出した、ノキアが重視する業績指標。
根拠資料・出典
一次資料
訂正履歴
訂正はありません。最終更新: 2026年10月30日 15:00
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