「お名前.com デスクトップクラウド」に不正アクセス、2万6,739台を停止 取引口座の不正操作の報告も
サーバーに保存したIDとパスワードが狙われた――クラウド上の「置き場所」を見直す
GMOインターネットは10月21日、クラウドサービス「お名前.com デスクトップクラウド」で第三者による不正アクセスがあり、影響の可能性があるサーバー2万6,739件を含む全プランを順次停止したと公表しました。22日の第2報では、サーバー内に保存された取引口座のログイン情報が盗まれ、不正利用された可能性があるとしています。再開時期は未定です。
まず、これだけ押さえたい
- お名前.com デスクトップクラウドで不正なプログラムが見つかり、影響の可能性があるサーバー2万6,739件を含む全プランが10月21日から順次停止されました。
- サーバー内に保存された取引口座のログイン情報が盗まれ、不正利用された可能性があり、取引口座での不正操作の報告も寄せられています。
- クラウド上のサーバーに認証情報を保存する運用そのものを見直し、二段階認証の設定と停止時の代替手段を準備することが重要です。
押さえておきたい数字
影響の可能性があるサーバー
2万6,739件
全プランを10月21日4時から順次停止。人数ではなくサーバー数
基準時点: 2026年10月22日(第2報)
経営への示唆編集部の分析
クラウドサービスの侵害は、利用企業の側で防げない形で起こり得ます。被害の大きさを左右するのは、そのサーバーに何を置いていたかです。業務用サーバーやリモート環境に金融口座や取引先システムのパスワードを保存していないかを確認し、保存先を専用の管理ツールに移すこと、重要な口座に二段階認証を設けることが、提供者側の事故に対する現実的な備えになります。
この記事の目次

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
何が起きたのか
クラウド型のサーバーサービスで不正なプログラムが見つかり、全プランのサーバーが止められました。 GMOインターネットの発表によると、10月19日に利用者からの問い合わせを受けて調査を始め、20日に一部のサーバーで第三者が置いた不正なプログラムを確認しました。同日に新規申し込みとコントロールパネルを停止し、21日午前4時から全プランのサーバーを順次停止しています(お名前.com 第1報(外部サイトが新しいタブで開きます)、第2報(外部サイトが新しいタブで開きます))。
影響の可能性があるサーバーは2万6,739件です。これはサーバーの数であり、影響を受けた人数ではありません。
何が盗まれた可能性があるのか
狙われたのは、サーバーの中に保存されていたIDとパスワードでした。 22日の第2報では、利用者から「サーバー上の取引ツールに関連する取引口座で、第三者による不正な操作があった」との報告が寄せられたとしています。同社は、不正なプログラムによってサーバー内の取引口座のログイン情報などが取得され、不正利用された可能性があると説明しました(GMOインターネットグループ(外部サイトが新しいタブで開きます))。
クレジットカードを含む決済情報はサーバー上に持っていないとしています。侵入経路はセキュリティ専門会社と調査中で、22日に警察に相談しました。サービスの再開時期は未定です。
利用者に求められていること
同社は利用者に、次の対応を急ぐよう求めています(第2報(外部サイトが新しいタブで開きます))。
- MT4・MT5などの取引ツールと取引口座のパスワードを、問題のサーバー以外の端末から変更し、ログオフする
- 取引履歴と残高を確かめ、身に覚えのない取引は取引業者に連絡する
- 取引業者が提供する二段階認証を設定する
- サーバー内に保存していた他のIDとパスワード、同じパスワードを使い回しているサービスも変更する
本件に便乗した偽のメールにも注意が呼びかけられています。
企業にとっての意味
クラウド上のサーバーは「借りている机」であり、そこに置いた鍵は机ごと盗まれ得ます。 編集部は、今回の教訓は特定のサービスに限らないと考えます。業務用の仮想サーバーやリモートデスクトップに、取引先や金融サービスのログイン情報を保存したまま運用している例は少なくありません。サービス提供者が侵害されれば、自社の対策とは無関係に、保存した認証情報がまとめて漏れる可能性があります。
見直したいこと
クラウドのサーバーに保存している認証情報を洗い出し、パスワード管理の仕組みに移す。重要な口座には二段階認証を設定する。サービス停止時に業務をどう続けるかを決めておく。
経営会議で確認したいこと
- 自社が借りているクラウドのサーバーや仮想デスクトップに、取引口座や他システムのパスワードを保存していないか。
- 利用中のクラウドサービスが突然止まった場合、業務をどのくらいの期間、どの手段で続けられるか。
用語の補足(2語)
- MT4・MT5
- 外国為替(FX)などの取引で広く使われる取引ツール。自動売買のために常時動くサーバー上で使われることがあります。
- 二段階認証
- パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなど別の手段でも本人確認する仕組み。
根拠資料・出典
一次資料
訂正履歴
訂正はありません。最終更新: 2026年10月26日 13:00
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