【第二報】メール配信サービス「Cuenote FC」に不正アクセス、延べ約5,000万件のメールアドレス等が流出 利用企業も相次ぎ公表
自社が送るメールの宛先リストは、委託先のどこに置かれているか
ユミルリンクは10月19日、メール配信サービス「Cuenote FC」の専用ASPプランの5システムが不正アクセスを受け、メールアドレスを含む延べ約900万件のデータが持ち出されたと公表しました。さらに調査の結果、その被害範囲は拡大し、10月26日公表の第二報では、延べ約5,000万件のデータが持ち出されたと公表しました。脆弱性の悪用から担当者の認証情報が盗まれています。同サービスを使う企業も影響の有無を公表しており、メール配信を外部に任せる企業は自社の宛先リストの扱いを確かめる必要があります。
この記事は訂正されています(2026年10月27日 17:44)。訂正内容は記事末尾の「訂正履歴」をご覧ください。
まず、これだけ押さえたい
- Cuenote FCの専用ASPプランの5システムが不正アクセスを受け、メールアドレスを含む延べ約900万件(試算)のデータが持ち出されました。その後、第二報で5,000万件にまで漏洩範囲が拡大しています。
- 原因は脆弱性の悪用と担当者の認証情報の窃取で、利用企業は影響の有無を順次公表しています。
- メール配信を外部に任せる企業は、宛先リストの保管範囲と、委託先の事故時に顧客へ知らせる手順を確認しておく必要があります。
押さえておきたい数字
持ち出されたデータ : 第一報
延べ約900万件
メールアドレスを含む。同社の試算で、人数ではない
基準時点: 2026年10月19日公表
持ち出されたデータ : 第二報
延べ約5,000万件
メールアドレスを含む。同社の試算で、人数ではない
基準時点: 2026年10月26日公表
経営への示唆編集部の分析
メール配信サービスは、多くの企業の顧客リストが1か所に集まる場所です。提供者が侵害されると、利用企業は自社に落ち度がなくても顧客への説明と注意喚起を求められます。契約時に、事故の報告期限、自社データの範囲を特定する手段、不要になった宛先データの削除を取り決めておくことが、こうした事態での初動と信頼の維持を左右します。
この記事の目次

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
何が起きたのか
メール配信を代行するサービスから、メールアドレスを含む大量のデータが持ち出されました。 ユミルリンクの10月19日の公表によると、10月16日未明に担当者が一部システムへの不正アクセスに気づきました。対象は「Cuenote FC」の専用ASPプラン(利用企業ごとに用意される環境)のうち5システムで、持ち出されたデータは同社の試算で延べ約900万件です(ユミルリンク(外部サイトが新しいタブで開きます))。
その後、さらに45システムに被害が及んでいることが発覚。持ち出されたデータは同社の試算で延べ約5,000万件です(ユミルリンク(外部サイトが新しいタブで開きます))。
アクセス記録からは、プログラムの脆弱性が悪用されたこと、サポート・品質管理担当者の認証情報が盗まれたこと、不正なプログラムが置かれてデータベースからデータが出力されたこと、盗まれた認証情報で他のシステムへのログインも試みられたことが分かっています。同社はサーバーを切り離し、脆弱性を修正し、捜査機関に届け出ました。データの詳細は外部の専門家と調査中です。
「延べ」とあるのは、同じアドレスが複数の利用企業のリストに含まれていれば重複して数えられるためで、人数ではありません(一創(外部サイトが新しいタブで開きます))。
利用企業はどう動いたか
メール配信を同サービスに任せていた企業が、影響の有無を順次公表しています。 NTTPCコミュニケーションズは10月20日、19日にユミルリンクから報告を受けたと公表しました。利用者の情報への影響は確認されていないものの、可能性を否定できないとして、連絡先メールアドレス等の漏えいに注意するよう呼びかけています(NTTPC(外部サイトが新しいタブで開きます))。
山陽新聞社は18日からニュース速報などのメール配信を止め、21日に再開しました。ユミルリンクから、同社が使う環境では情報漏えいは確認されていないとの連絡を受けたためです(山陽新聞社(外部サイトが新しいタブで開きます))。
何に気をつけるべきか
持ち出されたのがメールアドレスである以上、次に警戒すべきは「なりすましメール」です。 ユミルリンクは20日、自社のドメインを使って第三者を装った迷惑メールが複数確認されているとして注意を呼びかけました(ユミルリンク 注意喚起(外部サイトが新しいタブで開きます))。この迷惑メールと今回の流出との関係は示されていません。
メール配信を外部に任せている企業へ
宛先リストは自社の顧客情報そのものです。委託先から報告を受ける窓口と、顧客に知らせる手順を事前に決めておくと、今回のような事案でも初動が早くなります。
編集部は、メール配信やアンケート、予約受付といった「顧客と接する部分」を外部のサービスに任せる企業ほど、委託先の事故が自社の顧客への説明責任につながる点に注意が必要だと考えます。
経営会議で確認したいこと
- 自社の顧客のメールアドレスは、どの外部サービスに、どれだけの期間保管されているか。
- 外部サービスで事故が起きた場合、誰が報告を受け、何時間以内に顧客へ知らせるかが決まっているか。
用語の補足(2語)
- ASP
- ソフトウェアをインターネット経由で提供する形態。利用企業は自社でシステムを持たずに機能を使えます。
- 脆弱性
- ソフトウェアの設計や実装上の弱点。悪用されると不正な侵入や操作につながります。
根拠資料・出典
一次資料
- 一次資料当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第一報)
- 一次資料ユミルリンク株式会社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいの可能性について
- 一次資料メール配信サービス再開および委託先における不正アクセスについて(第4報)
- 一次資料【注意喚起】当社ドメイン、第三者を騙った迷惑メールにご注意ください
- 一次資料当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第二報)
二次報道・参考
訂正履歴
- 第二報が発出され、被害件数が約900万件から約5,000万件に拡大しました。
誤りにお気づきの場合はお問い合わせからお知らせください。