テキサス・インスツルメンツ、7〜9月期は28%増収・78%増益 産業・車載・データセンター向けアナログ半導体が回復
設備投資は前年の半分以下に。10〜12月期の売上高見通しは58億〜63億ドル
米テキサス・インスツルメンツ(TI)は2026年10月21日、7〜9月期の売上高が前年同期比28%増の60億5,500万ドル、純利益が78%増の24億2,500万ドルだったと発表しました。産業機器・自動車・データセンター向けが伸びました。工場や車に使う汎用的な半導体の需要動向を映す指標として、日本の製造業にも参考になります。
まず、これだけ押さえたい
- TIの7〜9月期は売上高が28%増の60億5,500万ドル、純利益が78%増の24億2,500万ドルでした。
- 産業機器・自動車・データセンター向けが伸び、アナログ部門の売上高は32%増えました。
- 設備投資は前年同期の半分以下になり、直近12カ月のフリーキャッシュフローは売上高の40.6%に高まりました。
押さえておきたい数字
売上高(2026年7〜9月期)
60億5,500万ドル
前年同期比28%増、前四半期比11%増
基準時点: 2026年9月期
純利益
24億2,500万ドル
前年同期比78%増
基準時点: 2026年9月期
10〜12月期の売上高見通し
58億〜63億ドル
1株利益は2.45〜2.79ドル
基準時点: 2026年10月21日
経営への示唆編集部の分析
AI向けの最先端半導体だけでなく、工場や車、サーバーの電源などに使う汎用的な半導体の需要も回復してきたことを示す決算です。日本の製造業にとっては、自社製品の需要環境が改善しているサインである一方、部品の需給が引き締まれば納期の長期化や値上げにつながる可能性もあります。調達部門は主要な半導体サプライヤーの見通しを定期的に確認し、重要部品の在庫や代替品の検討を進めておくことが現実的です。

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
米半導体大手の**テキサス・インスツルメンツ(TI)**は2026年10月21日、2026年7〜9月期の決算を発表しました。売上高は60億5,500万ドルで前年同期から28%増え、純利益は24億2,500万ドルで78%増えました(TI 決算発表(SEC提出資料)(外部サイトが新しいタブで開きます))。
何が伸びたのか
AI向けの最先端品ではなく、幅広い機器に使う半導体の需要が戻っています。 TIは電源の制御やセンサー信号の処理などに使うアナログ半導体と、機器を制御するマイコンなどの組み込みプロセッサーが主力です。ハビブ・イランCEOは、売上高が前四半期比で11%増えたと述べ、産業機器、自動車、データセンター向けで幅広く伸びたと説明しました(TI 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
| 項目(2026年7〜9月期) | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 60億5,500万ドル | 28%増 |
| 営業利益 | 28億7,400万ドル | 73%増 |
| 純利益 | 24億2,500万ドル | 78%増 |
| アナログ部門の売上高 | 49億1,100万ドル | 32%増 |
| 組み込みプロセッサー部門の売上高 | 8億5,800万ドル | 21%増 |
1株利益は2.62ドルで、前年同期の1.48ドルから77%増えました。データセンター向けの売上高そのものは開示されていません(TI 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
投資から回収の段階へ
設備投資が大きく減り、手元に残る現金が増えています。 7〜9月期の設備投資は4億6,300万ドルで、前年同期の11億9,700万ドルから半分以下になりました。直近12カ月のフリーキャッシュフロー(営業で得た現金から設備投資を引いたもの)は84億2,200万ドルで、売上高に対する比率は前年の14.0%から40.6%に上がりました(TI 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
10〜12月期の見通しは、売上高58億〜63億ドル、1株利益2.45〜2.79ドルです。中央値は7〜9月期をやや下回る水準で、編集部は、季節的な減速を織り込みつつも高い水準を保つ見通しとみています(TI 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
企業にとっての意味
アナログ半導体は工作機械、車、家電、サーバーの電源など、日本の製造業の製品にも広く使われています。需要の回復が続けば、部品の納期や価格に影響が出る可能性があります。
TIの決算は、AI向けの最先端品とは異なる、汎用的な半導体の景気を読む手がかりになります。部品を調達する企業は、主要サプライヤーの受注・在庫の状況とあわせて確認しておくとよいでしょう。
経営会議で確認したい3つのこと
- 当社の製品に使うアナログ半導体やマイコンの納期・価格に、最近変化は出ていないか。
- 重要な半導体部品について、代替品や複数の調達先を確保できているか。
- 産業機器・自動車向けの需要回復は、当社の受注見通しにどう反映されているか。
本記事は情報提供を目的としたもので、投資・法務・税務等の個別の助言ではありません。具体的な判断にあたっては、専門家にご相談ください。
用語の補足(3語)
- アナログ半導体
- 電圧や電流、温度、音などの連続的な信号を扱う半導体。電源の制御やセンサーの信号処理に使われ、ほぼすべての電子機器に入っている。
- 組み込みプロセッサー
- 家電や車、産業機器などに組み込まれて機器の動作を制御する半導体。マイコンが代表例。
- フリーキャッシュフロー
- 営業活動で得た現金から設備投資を差し引いた、企業が自由に使える現金。配当や借入の返済の原資になる。
根拠資料・出典
一次資料
訂正履歴
訂正はありません。最終更新: 2026年10月27日 10:21
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