Meta、議決権のない新株「クラスC」を創設へ AI投資の資金調達に備え、2026年の設備投資は最大1,450億ドル
株主には1株につき1株を配当。創業者の支配は保ったまま、株式を資金源にする道を開く
米Metaは2026年10月21日、議決権のない新たな株式「クラスC」を2027年1月に創設すると発表しました。既存株主に1株につき1株を配当として割り当て、将来の資金調達や社員報酬、買収に使える株式とします。同社は2026年の設備投資を1,350億〜1,450億ドルと見込み、第3四半期のフリーキャッシュフローはマイナスでした。AI投資の規模が、巨大企業の資本政策まで変え始めています。
まず、これだけ押さえたい
- Metaは10月21日、議決権のない新株「クラスC」を2027年1月に創設し、既存株主に1株につき1株を配当すると発表しました。
- 特別委員会は、AI投資に必要な資金の大きさを理由に、資金調達や報酬、買収に使える株式が必要だと判断しました。
- 2026年の設備投資見通しは1,350億〜1,450億ドルで、7〜9月期のフリーキャッシュフローはマイナスでした。
押さえておきたい数字
2026年の設備投資見通し
1,350億〜1,450億ドル
従来見通し1,300億〜1,450億ドルから下限を引き上げ
基準時点: 2026年10月21日
フリーキャッシュフロー
マイナス21億ドル
営業キャッシュフローは327億9,000万ドル
基準時点: 2026年7〜9月期
経営への示唆編集部の分析
AIの開発競争は、世界有数の高収益企業でさえ稼いだ現金だけでは投資をまかないきれない規模に達しつつあります。Metaの新株は、創業者の支配を保ったまま株式を資金源にする仕組みで、AI投資がさらに続くことを前提にした資本政策といえます。AIサービスの利用企業にとっては、提供企業の投資余力や資金調達の動きが、将来の価格や機能、サービスの継続性に影響し得ます。主要なAI提供企業の財務の動きを、調達先の評価項目に加えておくことが有益です。
この記事の目次

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
何が発表されたのか
**Metaは10月21日の決算発表で、議決権のない新しい種類の株式「クラスC普通株式」を創設すると発表しました。**取締役会が承認し、効力発生日は2027年1月19日の予定です。既存のクラスA株・クラスB株1株につき、クラスC株1株を一度だけ配当として割り当てます。配当の基準日と支払日は今後決めます(Meta 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
同社は、配当の支払い後はクラスA株の市場価格が「1株を2株に分割した」のと同じ影響を受けると見込んでいます。株主の議決権は変わりません。クラスC株はナスダックへの上場を目指します。
なぜ新しい株式が必要なのか
**理由として最初に挙げたのは、AI投資に必要な資金の大きさです。**独立した取締役でつくる特別委員会は、AIによる業界の変革の中で競争し、成長を続け、インフラを広げるのに必要な投資は大きいと判断し、新株を資金調達、社員報酬、将来の買収などに使えるようにするとしました。あわせて、創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が率いる体制を続けることも理由に挙げています(Meta 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます))。
米Semaforは、議決権のない株式であれば、ザッカーバーグ氏の支配力を薄めずに、買収やAI人材の獲得、半導体の購入のために株式を発行できると報じました。グーグルの親会社アルファベットも、2014年に同様の仕組みを導入しています(Semafor(外部サイトが新しいタブで開きます))。
足元の業績と投資はどうなっているのか
| 項目(2026年7〜9月期) | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | 646億ドル(前年同期比26%増) |
| 設備投資(ファイナンス・リース返済を含む) | 349億ドル |
| フリーキャッシュフロー | マイナス21億ドル |
| 2026年通期の設備投資見通し | 1,350億〜1,450億ドル |
出典: Meta 決算発表(外部サイトが新しいタブで開きます)
売上は伸びていますが、設備投資が営業活動で稼ぐ現金を上回りました。同社は2027年も「積極的な投資を続ける」としています。なお、7〜9月期の費用には、10代の心の健康をめぐる訴訟の和解に関する98億9,000万ドルの費用が含まれています。
企業にとっての意味
AIの開発競争は、利益から投資する段階を超え、株式による資金調達まで視野に入る規模になっています。AIサービスを使う側の企業にとっては、提供企業の投資余力が、今後の価格やサービスの継続性を左右する要素になります。
本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
経営会議で確認したいこと
- 自社が依存するAIサービスの提供企業について、投資計画や資金調達の動きを把握しているか。
- AI提供企業の価格改定やサービス方針の変更が起きた場合の代替手段を検討しているか。
本記事は情報提供を目的としたもので、投資・法務・税務等の個別の助言ではありません。具体的な判断にあたっては、専門家にご相談ください。
用語の補足(4語)
- 無議決権株式
- 株主総会での議決権を持たない株式。配当などの経済的な権利はあるが、経営への発言力はない。創業者の支配を保ちながら資金を集める手段として使われる。
- 株式配当
- 現金の代わりに、新しい株式を株主に割り当てる配当。株数が増える分、1株あたりの価格は下がるのが一般的。
- フリーキャッシュフロー
- 営業活動で得た現金から設備投資などを差し引いた、企業が自由に使える現金。マイナスは投資が稼ぎを上回ったことを示す。
- ファイナンス・リース
- 実質的に資産を購入したのと同じ効果を持つ長期のリース契約。Metaはその元本返済も設備投資に含めて開示している。
根拠資料・出典
一次資料
二次報道・参考
訂正履歴
訂正はありません。最終更新: 2026年10月28日 08:00
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