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メタル固定電話の終わりが近づく 総務省審議会が「携帯網の固定電話」を最低保障に 2031年までの3シナリオ

総務省の情報通信審議会は10月9日、固定電話の全国提供を支える制度の見直しについて三次答申をまとめ、携帯電話網を使う「モバイル網固定電話」を早期にユニバーサルサービスに加えるよう求めました。NTT東西は2035年度中をめどにメタル回線の固定電話を光やモバイルへ移す方針で、2028年度ごろから地域ごとの終了が始まります。企業の電話・FAX・設備への影響を5年の時間軸で見通します。

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BSAC5編集部
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オフィスの棚に置かれた古い固定電話機とFAXの横に、スマートフォンと小型の通信機器が並ぶイメージ写真

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません

3分で分かる要点

  • 情報通信審議会は10月9日の三次答申で、携帯網を使う「モバイル網固定電話」を早期にユニバーサルサービスにする制度整備を求めました。
  • NTT東西は2028年度ごろからエリア単位でメタル固定電話を終了し、2035年度中をめどに光・モバイルへの移行を完了する方針です。
  • NTT東西はメタル回線の加入電話の基本料を2026年4月から事務用で月330円値上げすると発表しており、答申も維持費は当面減らないとしています。
  • 企業は電話番号だけでなく、FAXや警備・非常通報装置などメタル回線を前提にした機器の棚卸しを早めに進める必要があります。

経営への示唆

固定電話の移行は、通話そのものよりも「電話回線につながっている機器」に影響が出やすいテーマです。終了は2028年度ごろから地域ごとに始まるため、自社の拠点がいつ対象になるかは事前に読みにくく、案内が来てから慌てると、FAXや警備装置、非常通報装置などの入れ替えが間に合わないおそれがあります。総務部門だけでなく、設備管理や情報システム、店舗運営の担当者を集めて回線と機器の一覧を作り、移行先(光・モバイル)ごとの費用と停電時の使い方を比較しておくことをお勧めします。

いま確認できる事実

総務省は2026年10月9日、情報通信審議会から「最終保障提供責務の導入等に伴う基礎的電気通信役務制度の在り方」についての三次答申を受けました。ユニバーサルサービス(固定電話など、全国どこでも提供されるべき基礎的な通信サービス)の制度を、2025年の法改正で導入された最終保障提供責務(他に提供する事業者がいない地域で、指定された事業者がサービスを提供する義務)に合わせて作り直すための答申です。

三次答申の主な内容は次のとおりです。

  • 携帯電話網を使って固定電話番号で通話できるモバイル網固定電話を、NTT東西が他社から回線の卸提供を受けて提供する場合も含め、早期にユニバーサルサービスにできるよう制度整備を進める。
  • 緊急通報は、当面は現在のサービスの仕様(携帯電話番号での通報や、GPS・基地局による位置情報の通知)での提供を認め、中長期的に住所情報や固定電話番号の通知などを検討する。
  • 携帯網などを使うワイヤレス固定ブロードバンド(共用型)のユニバーサルサービス化は、2027年度以降に具体的な検討に着手する。
  • メタル回線の維持費用は当面減らないとして、交付金の算定モデルを調整して対応する。

答申の資料によると、携帯大手3社はすでにモバイル網固定電話を提供しており、月額料金は1078円からです。

NTT東西の移行計画

NTT東日本・西日本は2025年9月29日、メタル回線を使う加入電話を、光回線やモバイル網を使うサービスへ段階的に移す方針を発表しました。利用者の減少と設備の老朽化で、2035年ごろにはサービス水準の維持が難しくなるためです。

  • 2028年度ごろから、エリア単位で順次サービスを終了し、2035年度中をめどに移行を完了する。保守が難しい地域や、災害で敷き直しが必要になった地域などが先行する。
  • 移行先は「光回線電話」「ワイヤレス固定電話」(モバイル網)「ひかり電話」の3種類。移行の初期費用は無料だが、申し込みと工事が必要。
  • 2026年4月から、メタル回線の加入電話の基本料を事務用で月330円、住宅用で月220円(いずれも税込み)値上げすると発表していた。

今後どうなるか

以下は事実ではなく、公表資料をもとにした見通しです。確率は示しません。

基本シナリオ(2028年度から段階的に移行が進む):2027年度中にモバイル網固定電話をユニバーサルサービスとする制度が整い、NTT東西のワイヤレス固定電話も全国で提供されます。2028年度ごろから保守が難しい地域を皮切りにメタル回線の終了が始まり、企業には移行の案内が届き始めます。多くの事業所は光回線電話やひかり電話に移りますが、メタル回線を前提にした古い機器(FAX、警備・監視装置、エレベーターの非常通報装置、決済端末など)の動作確認と交換が、各社の個別対応として残ります。

前倒しシナリオ(災害と人材不足で移行が早まる):台風や地震でメタル設備が被災した地域では敷き直しをせず、光やモバイルへの移行が前倒しされます。保守人材の不足が進めば、終了地域の拡大も計画より早まり、企業は短い準備期間で機器の入れ替えを迫られます。

遅延シナリオ(制度と技術の課題で移行がずれ込む):緊急通報の位置情報や通話品質、停電時の使い方などの課題で、制度整備や利用者の理解が想定より遅れます。メタル回線の維持費は下がらないまま、基本料やユニバーサルサービス料の負担が続く可能性があります。

予測対象期間

2026年10月〜2031年9月

変化を見極める指標

  • モバイル網固定電話をユニバーサルサービスとする省令などの制度整備の時期
  • NTT東西のワイヤレス固定電話の全国提供開始の時期
  • NTT東西が公表するメタル回線の終了地域と時期
  • メタル回線の加入電話の契約数の推移
  • ユニバーサルサービス料(電話番号ごとの負担額)の改定

前提条件

  • NTT東西の移行方針(2028年度ごろからの段階的終了、2035年度中の完了)が大きく変わらない。
  • 総務省が三次答申に沿って、モバイル網固定電話をユニバーサルサービスとする制度整備を進める。
  • 光回線と携帯電話網の整備が、現在の政府目標に沿って進む。

不確実性(見通しが変わる条件)

三次答申は制度の方向性を示したもので、具体的な省令や施行時期は今後決まります。NTT東西の移行計画も、制度整備や地域の事情、災害の発生によって前後する可能性があります。また、メタル回線を前提にした機器が光やモバイルの回線でどこまで使えるかは機器ごとに異なり、本稿では個別に確認していません。

明日の経営会議で問うべき3つのこと

  1. 当社の全拠点で、メタル回線の加入電話は何回線あり、それぞれに電話機以外のどの機器がつながっているか。
  2. 移行先を光回線電話・ワイヤレス固定電話・ひかり電話のどれにするか、停電時や災害時の使い方も含めて比較しているか。
  3. 固定電話番号を前提にした顧客窓口やFAX受注の業務を、今後5年でどう変えていくか。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資・法務・税務等の個別の助言ではありません。将来の見通しは執筆時点の情報と前提に基づく分析であり、結果を保証するものではありません。具体的な判断にあたっては、専門家にご相談ください。

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  • 総務省
  • 通信インフラ

根拠資料・出典

一次資料

二次報道・参考

訂正履歴

訂正はありません。最終更新: 2026年10月18日 20:36

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