イスラエル総選挙、全票開票でどの陣営も過半数に届かず ネタニヤフ首相の陣営53、野党48、アラブ系19議席で連立交渉へ
選挙委員会は「組織的な不正」の主張を退ける一方、外国の干渉の疑いは情報機関に調査を依頼
10月27日に投票したイスラエル総選挙は開票を終え、ネタニヤフ首相の陣営が53議席、アイゼンコット氏らの野党陣営が48議席、アラブ系政党が過去最多の19議席となりました。過半数の61議席にはどの陣営も届きません。結果は11月4日に大統領へ提出される見通しで、連立交渉は難航が予想されています。
まず、これだけ押さえたい
- 全票開票の結果、ネタニヤフ首相の陣営53、野党陣営48、アラブ系19議席で、過半数の61議席に届いた陣営はありません。
- 主要3局の最終調査と比べ、第1党はヤシャルからリクードに入れ替わり、アラブ系は調査を上回る過去最多の議席を得ました。
- 委員会は組織的な不正の主張を退けましたが、外国の干渉の疑いの調査は続いています。連立交渉は2か月を超える可能性があります。
押さえておきたい数字
ネタニヤフ首相の陣営
53議席
過半数の61議席に8議席不足
基準時点: 2026年10月30日公表の開票結果
アイゼンコット氏らの野党陣営
48議席
過半数の61議席に13議席不足
基準時点: 2026年10月30日公表の開票結果
アラブ系政党
19議席
過去最多。主要3局の最終調査は14〜16議席
基準時点: 2026年10月30日公表の開票結果
経営への示唆編集部の分析
今回の結果だけでは、次の政権の形も政策も分かりません。中東に取引や輸送ルートを持つ企業は、誰が首相になるかを先取りせず、組閣の担当者の指名、連立合意の内容、外国の干渉の疑いをめぐる調査結果を順に確認するのが現実的です。交渉が長引く場合や再選挙の場合に備え、大きな判断を段階的に進める余地を残しておくことも考えられます。
この記事の目次

画像: AI生成のイメージ画像(Codexで作成)。実際の場面ではありません
開票の結果はどうなったのか
定数120のうち、過半数の61議席に届いた陣営はありません。 中央選挙委員会が30日未明に公表した結果を、Times of Israel(外部サイトが新しいタブで開きます)が次のように伝えています。投票率は77.9%でした。正式な結果は11月4日に大統領へ提出される見通しです。
| 陣営 | 議席 | 内訳 |
|---|---|---|
| ネタニヤフ首相の陣営 | 53 | リクード27、オツマ・イェフディト7、統一トーラー・ユダヤ教7、シャス6、宗教シオニズム6 |
| アイゼンコット氏らの野党陣営 | 48 | ヤシャル21、ベヤハド12、民主党8、イスラエル我が家7 |
| アラブ系政党 | 19 | ジョイント・リスト11、ラアム8 |
投票前の調査と何が違ったのか
大きな違いは、第1党とアラブ系政党の議席でした。 当サイトの投票前の分析で扱った主要3局の最終調査は、ヤシャルを第1党とし、野党陣営を52〜56議席、アラブ系を14〜16議席と見ていました(Times of Israel(外部サイトが新しいタブで開きます))。結果はリクードが第1党で、野党陣営はこの範囲を下回り、アラブ系は上回りました。与党陣営は50議席の予測より3議席多い結果です。
アラブ系の伸びの背景として、アラブ系住民の投票率が過去最高に達したとの報道があります(New Lines(外部サイトが新しいタブで開きます))。全体の割合は確認できていません。
不正の主張に、選挙委員会はどう答えたのか
委員会は組織的な不正の主張を根拠がないとする一方、外国の干渉の疑いは調査を続けています。 リクードはアラブ系政党が選挙を「盗んだ」と主張しています。同党はアラブ系の町での買収や脅しの証拠があるとしますが、公開していません(France 24(外部サイトが新しいタブで開きます))。
委員会のソルバーグ委員長は、外国の干渉の「重大な疑い」を指摘する書簡を受け、自らは検証できないとして公安機関シンベトに調査を求めました(Al Jazeera(外部サイトが新しいタブで開きます))。委員会は1週間以内の報告を求めています(Globe and Mail(外部サイトが新しいタブで開きます))。委員会の事務局長代行は、調査は大統領に提出する最終結果に影響しないと述べました(Times of Israel(外部サイトが新しいタブで開きます))。シンベトは、調査はアラブ系市民に疑いをかける趣旨ではないとし、名指しされたカタールは疑惑を否定しました(Globe and Mail(外部サイトが新しいタブで開きます))。
連立交渉はどう進むのか
どの組み合わせにも政治的な障害があり、交渉は2か月を超える可能性があると報じられています。 与党陣営はあと8議席、野党陣営は13議席が必要です。野党陣営とアラブ系を合わせれば67議席ですが、アイゼンコット氏はアラブ系政党との政権を否定しています。ラアムは参加に前向きで、ジョイント・リストは参加はしないものの閣外からの支持に含みを残します(ロイター/Korea Times(外部サイトが新しいタブで開きます))。野党でアラブ系との連立を支持するのは民主党のゴラン党首だけとされます(Al Jazeera(外部サイトが新しいタブで開きます))。ネタニヤフ氏との大連立を選ぶ道も指摘されています(Globe and Mail(外部サイトが新しいタブで開きます))。
国会は11月10日に宣誓の予定です。大統領は各党と協議して組閣の担当者を指名し、期限は28日間で14日の延長が可能です(Jerusalem Post(外部サイトが新しいタブで開きます))。組閣が繰り返し失敗すれば、来年早々の再選挙もあり得ます(Globe and Mail(外部サイトが新しいタブで開きます))。
中東に関わる企業が判断の材料にすべきなのは、議席数より連立合意の中身だと編集部は考えます。影響の経路は投票前の分析で整理しています。
経営会議で確認したい3つのこと
- 連立合意のどの内容(入植地、徴兵、対イラン方針など)が出たら、中東事業の計画を見直すかを決めているか。
- 政権の空白が数か月続いた場合に、現地の取引や許認可で影響を受けるものはあるか。
- 11月4日の結果提出と11月10日の国会の宣誓の後、誰が情報を更新し社内に共有するかを決めているか。
用語の補足(4語)
- クネセト
- イスラエルの一院制の国会。定数は120。
- 陣営(ブロック)
- 選挙後に連立を組むとみられる政党のまとまり。ここでは報道の集計に従って分けている。
- シンベト
- イスラエルの国内の治安を担当する情報機関。
- 閣外からの支持
- 政権に大臣を出さず、国会の採決などで政権を支える形。
根拠資料・出典
一次情報に関する注記: 中央選挙委員会の公式サイト(bechirot.gov.il、bechirot.gov.il/en、votes26.bechirot.gov.il)は開けましたが、取得できた内容に開票結果がなく、確認できませんでした。議席数は同委員会の公表を伝える Times of Israel などの報道によります。
二次報道・参考
- 二次報道With all votes counted, Netanyahu's bloc at 53 seats, Eisenkot's 48, Arab parties 19
- 二次報道Israel's final election results give neither Netanyahu nor the opposition a majority
- 二次報道Israel election result shows no overall majority as vote count complete
- 二次報道Israel final election results: Netanyahu's bloc maintains lead but does not secure majority
- 二次報道Israel finishes vote count, Netanyahu's Likud biggest party but without majority
- 二次報道The results are in: Netanyahu's Likud is Israel's biggest party with 27 seats as all votes counted
- 二次報道For Israel's Arabs, record turnout may bring political clout
- 二次報道Fear and unity fueled a historic turnout among Israel's Palestinian voters
- 二次報道Final polls before election show both blocs short of majority, small parties out of Knesset
訂正履歴
訂正はありません。最終更新: 2026年11月2日 18:15
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